皆さんは「シナリオ・プランニング」手法について聞いたことがあるでしょうか? 事業プログラムの戦略立案においては、つねに複雑で不確実性の高い環境の中で予測を行い、最適な目標とアクションを選ばなければなりません。またプロジェクトのリスク・アセスメントにおいても、定量化し確率を予測できる事ばかりではなく、定性的な先読みが求められる局面がしばしばあります。そうした問題に対応するため、主に欧州を中心に開発されてきた手法がシナリオ・プランニングです。
この手法の初期の有名な成功例は、'70年代に石油メジャーであるロイヤル・ダッチ・シェル社が作成した「石油危機シナリオ」でした。同社は事前に複数シナリオによる予測を行い、組織内の体制を整えていたことで、世界的な石油ショックに効果的に対応することができました。同社はその後もシナリオ・プランニングの手法を継続して発展させ、戦略構築に結びつけてきました。そして、他の企業・政府機関などでも戦略構築ツールとして広く使われるようになったのです。
今回は、本分野における日本の権威である、昭和シェル石油チーフエコノミストで東京大学客員教授の角和昌浩様をお招きして、その方法と成功のポイントについてお話しいただきます。業種を問わず、戦略や予測に関心のある方に興味深い内容になると思います。
日時: :2015年10月13日(火) 18:30~20:30
場所: 三田キャンパス・北館会議室2(1階)(定員:28)
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
キャンパスマップの【1】
講演タイトル: 「シナリオ・プランニングによるビジネス環境分析 ~シェルのグローバルシナリオ作成に学ぶ」
概要:
シェルグループは、なぜシナリオプランニングを戦略検討ツールとして40年以上、継続してやっているのか。このツールを戦略検討作業や戦略決定に取り込むと、どういう便益があるのか。最新のシェルのシナリオ作品を紹介しながら、その方法と成功のポイントを理解していただきたいと思います。
講師: 角和 昌浩 (かくわ まさひろ)
昭和シェル石油株式会社 チーフエコノミスト 兼 東京大学 公共政策大学院 客員教授
講師略歴:
1977年3月 東京大学法学部政治学科 卒
1977年4月 昭和石油(現昭和シェル石油)入社
1982-83年 ロンドン大学東方アフリカ研究所 中近東学科留学
1987-89年 石油公団に出向
1992-95年 ロイヤル・ダッチ/シェルロンドン本社に出向
2003年10月 日本エネルギー経済研究所 兼 名古屋大学エコトピア科学研究所客員教授 兼 電力中央研究所客員研究員
2009年4月 現職にいたる
参加費用: 無料。
ちなみに本研究部会員がスケジューリング学会に新たに参加される場合、
学会の入会金(\1,000)は免除されます。
参加を希望される方は、確認のため、できましたら当日までに佐藤までご連絡ください。