スケジューリング学会 共生を旨とする来るべき社会に精神的・物質的に貢献する創造的専門家集団
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スケジューリング学会会長就任のご挨拶
20071009
                                  中野 一夫(構造計画研究所)

前年度になりますが、2006年9月の総会で会長に選任されました。1998年設立時の初代会長の黒田充先生(青山学院大学)以来、前会長の徳山博于先生(静岡大学)まで大学の先生方が会長を勤められてきましたが、今回初めて産業界出身の会長となったわけです。このことは非常に意義深いと思っています。私は黒田初代会長の元では副会長の職についていました。そのころ、米国のビジネスパートナーから紹介を受けた新しい生産スケジューリングの仕組みであるAPS (Advanced Planning & Scheduling)を日本の製造業に紹介し始めた直後でした。APSのアルゴリズムの代表的なものとしてゴールドラット博士のTOC(Theory Of Constraints:制約条件の理論)がありました。
APSもTOCも当時の米国のスケジューリングの研究者やIE担当者ではかなり広まっていた用語です。私は日本の大学の研究者、特に生産スケジューリングの研究者にこれからの製造業にとってAPS,TOCは非常に重要な考え方になることを訴えましたがあまり興味を持っていただけなかったのを思い出します。おそらく、従来の最適化や数理的な高度なアルゴリズムではなかったからだと思います。
しかし、日本の製造業のマネージメントの方は、いち早くキャッチし社内の勉強会等で独自に研究し(大学の先生方がご存じなかったからだと思います)、急速に浸透していきました。企業は常に生き残りをかけて戦っています。ネットワークの普及等で従来は大学の先生方を通じてしか入手できなかった新しいアルゴリズムや考え方を即座に入手することができる仕組みができています。スケジューリングは実学です。実際の現場で使われない研究は意味がありません。スケジューリング学会の使命は正に産学連携にあると思っています。来年2008年は設立10周年となります。短い任期ですが、企業出身の私としては、これを推し進めるべく努力したいと思っています。

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