スケジューリング学会シンポジウム
(スケジューリング・シンポジウム 2013)

生産スケジューリング、輸送スケジューリング、サービス・スケジューリング、スポーツ・スケジューリング

プログラム概要

■ 9月21日(土)

  A会場(B44) B会場(B45)
9:00~10:00
受 付(B棟4階B47)
10:00~11:40 G1
サプライ・チェーン・マネジメント
OS1
生産マネジメント
 
昼休み
13:00~14:15 G2
タイム・テーブリング
OS2
配置問題
   休 憩
14:30~16:10 G3
人員計画・作業割当
(1)
G4
生産計画
(1)
  休 憩
16:25~17:25 S1
特別講演1 田辺 隆人氏(株式会社NTTデータ数理システム)
(S会場(B22))
17:30~18:15
総会(S会場(B22))

18:30~20:30
懇親会(会場:C棟1階1SYOKU)

■ 9月22日(日)

  A会場(B44) B会場(B45)
8:30~9:00
受 付(B棟4階B47)
9:00~10:15 G5
施設配置・更新計画
OS3
実務とSCM
 
休 憩
10:30~11:45 G6
人員計画・作業割当
(2)
 OS4
SCRM
 
昼 休 み
13:00~14:00 S2
特別講演2 柳浦 睦憲 氏(名古屋大学)
(S会場(B22))
 
休 憩
14:10~15:10 S3
特別講演3 矢野 夏子氏(株式会社構造計画研究所)
(S会場(B22))
 
休 憩
15:25~16:40 G7
情報システム
G8
生産計画
(2)

講演一覧

9月21日(土) S会場

 
【16:25~17:25】特別講演1  
司会: 池上 敦子(成蹊大学)  
S1 株式会社TMJ様におけるコールセンターオペレーターシフト最適化の事例紹介  
田辺 隆人(株式会社NTTデータ数理システム 取締役 数理計画部 部長 )  

[概要] 組織は人によって成り立っていますが,個人の都合と組織の論理はそもそも相容れないもの.そこに納得感のある「折り合い」を醸しだせるかどうかが,組織のパフォーマンスを左右します.大規模コールセンターという現場を多数抱える株式会社TMJ様はかねてから意識的にその問題に取り組む中,数理計画によるシフトスケジューリング,というソリューションを育てて来られました.スケジューリングというテーマにおいては最適性よりは納得性.制約は与えられるものではなく,現場の試行錯誤の中から読み取る指標.実行不可能は許されません.現場と対話しながら,アルゴリズムを手なづけて使えるスケジュールを生み出す.それには数理モデル化の技術もさることながら現場を巻き込んだ問題解決のための枠組みが重要です.スケジューリングプロジェクトの醍醐味を実例を通じて紹介いたします.
 
   

ページ先頭へ戻る

 
   

9月21日(土) A会場

 
【10:00~11:40】サプライ・チェーン・マネジメント  
司会:西 竜志(大阪大学)  
G1-1 需要の不確実性を考慮したロジスティクスネットワーク再編成問題に対する数理計画アプローチ  
○伊佐 勇人(早稲田大学)、椎名 孝之(千葉工業大学)、森戸 晋(早稲田大学)、
今泉 淳(東洋大学)
 

[概要] ロジスティクス・ネットワークの再編成はサプライチェーンマネジメントにおいて非常に重要な意思決定項目である。「再編成」とは既存の施設の使用を考慮した上で、施設の開設・移転・閉鎖を考える問題である。ネットワークの再編成はストラテジックな意思決定であり、かなりの資本投資を必要とし、長期的な目線から最適な状態に保つ必要がある。しかしながら顧客の需要がデータ通り実現するとは考えにくく、そのためネットワークを最適化するのは困難になる。そこで本研究では需要の不確実性を考慮したロジスティクス・ネットワークモデルを提案し、L-Shased法を適用する。将来的には近年ポートフォリオ最適化問題で注目されているCVaR(Conditional Value at Risk)というリスク評価尺度を本研究において適用し、数値実験によりその効果を検証する。
 
   
G1-2 組合せオークションを用いた立体自動倉庫の入出庫スケジューリングに関する研究  
○貝原 俊也、 藤井 信忠、野中 朋美、奥野 天介(神戸大学)、森川 雅司(ダイフク)  

[概要] 近年,ネット通販などの拡大によって物流センターが大規模化している.それに伴い,立体自動倉庫(AS/RS)が注目を集め,その効率的な運用手法が求められている.一方,大規模問題における高速求解を目的とした自律分散型の組合せ最適化手法の一つとして,社会的交渉ベースの組合せオークションが注目を集めている.そこで本研究では,組合せオークション手法を用いて,空間的最適化問題として品物の保管場所を,時間的最適化問題として自動倉庫の入出庫スケジュールをそれぞれ考慮する最適化手法を提案する.提案法では,クレーンの総巡回距離と品物の出庫納期ずれを最小化することを目的としており,本稿では,提案法について定式化を示した後,計算機実験によりその有効性を確認する.
 
   
G1-3 組合せオークション理論を用いたグローバル需給計画の適正化  
○ 古賀 康隆、村尾 了(株式会社東芝 生産技術センター)、貝原 俊也(神戸大学)  

[概要] 製販のグローバル化に伴いサプライチェーンの大規模・複雑化が加速する中、真に全体最適な需給計画の立案は困難になりつつある。また仮にできたとしても、それが社内外の組織を含む膨大なステークホルダー間でWin-Winの関係とならない場合、その実行は難しい。今後のサプライチェーン管理には、全体最適性に加えて各組織の実行性も加味した調整が重要であると考える。そこで社会学にアナロジーを得たマルチエージェント技術における組合せオークション理論に着目した。サプライチェーン上の需給調整業務を対象に、数理アルゴリズムを用いて事業損益と組織間の対立関係を高速に可視化し、意思決定の参考情報を提示する手法を完成させた。
 
   
   G1-4 不確定需要を考慮した多期間の生産計画と倉庫配置計画の統合最適化  
  ○西 竜志、相賀 啓右(大阪大学)、Guoqing Zhang(University of Windsor)  
   
[概要] 生産計画とは製品の生産量と在庫量を決定する問題であり, 倉庫配置計画とは, 生産された製品の保管場所と入出庫時期を決定する問題である. 従来は, 生産計画を行い, その後に倉庫配置計画を行うという方法がとられているが, この生産計画と倉庫配置計画を同時に行うことで在庫の保管費用や生産費足に対する費用の削減が期待できる. また実際の生産計画では需要は不確定となるため, 一般に製品在庫の保持によって機会損失を削除する対策をとる. 本研究では需要を確率変数として与え, 各製品が独立な正規分布に従うという仮定の下, 各製品の安全在庫をそれぞれ考慮することで機会損失を防ぐことを考える. 安全在庫とは不測の要因により需要量が変動することを見越して欠品を防ぐために必要とされる在庫の水準のことである. 本研究では, 不確定需要を扱った生産計画に倉庫配置計画を組み合わせたモデルを考え, 混合整数非線形計画問題として定式化する.
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【13:00~14:15】タイム・テーブリング  
司会:堀尾 正典(名古屋学芸大学)  
G2-1 HAT許容性判定問題を考慮したブレーク数最小化スケジューリング  
○藤枝 尚貴、 由良 憲二(電気通信大学)  

[概要] スポーツ競技においてスケジュールを組む際に,対戦相手や順序,競技施設の割当を適切に行う必要があり,スポーツスケジューリング問題が考えられる.スポーツスケジューリング問題では様々な問題が扱われている.特に,HAT(Home-Away Table)許容性判定問題は未解決問題として定義されており,スケジュールを作る際の大きな障壁となっている.ここで,HATとはどのチームが何日目にホームもしくはアウェイで戦うかを示した表である.従来の研究ではHAT許容性判定問題を解消するために,許容HATを総当たり的に探していた.しかし,これでは実行可能スケジュールを作成するのに多くの時間がかかってしまうことや,スケジュールが作成できないことがある.そこで,本研究では二重総当たり戦を対象に,各チームのブレーク数が1という条件下でHAパターンを列挙し,実行可能スケジュールと許容HATを同時作成する手法を提案する.
 
   
G2-2 大学の定期試験時間割編成問題  
○小野内 雄一(南山大学大学院)、佐々木 美裕(南山大学)  

[概要] 大学の定期試験時間割編成を自動で作成するシステムについて、システムの設計、最適化問題としての定式化、プロトタイプの紹介を行う。 通常、大学の定期試験時間割は、講義の時間割と同じ曜日時限に実施することが好ましいとされているが、この数年間、通常講義が開講されない土曜日や平日5時限目に試験を実施する科目が多くなっている。これは、試験期間が短くなったことにより制約が厳しくなり、今までのように職員の手作業で時間割を作成することが困難になっているためである。 そこで、時間割作成、試験教室の決定、試験監督者の割当を段階的に数理計画問題として定式化し、作成した簡単なユーザインタフェースを示す。
 
   
   G2-3 中高一貫校の時間割作成の改良 ― 平成25年度の時間割を作成して  
  ○山本 佳奈((株)シグマフィールド)、鈴木 敦夫(南山大学)、寺田 尚広(南山高等学校男子部)  
   
[概要] 南山高校男子部では、平成25年度の時間割をわれわれが作成した時間割作成支援システムで作成した。そのシステムを紹介するとともに、時間割を実際に作成するにあたってのシステムの改良点を述べる。従来は手作業で5人程度で1週間以上の時間をかけていた時間割編成が、3人で1.5日程度で作成できた。今後、今回の時間割作成の経験を活かしてシステムを改良することによって、さらに時間割編成の手間を減らすことが期待できる。
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【14:30~16:10】人員計画・作業割当(1)  
司会: 田中 勇真(成蹊大学)  
G3-1 エレベータ群管理問題のカゴ割当て最適化  
○榊原 静、田中 俊明、山田 尚史(株式会社東芝)  

[概要] エレベータ群管理の決定論的な最適化を行うにあたり,カゴ割当てを最適化する問題の理論限界値を求めた.エレベータ群管理問題は,乗客へのカゴ割当てを最適化する問題と,各カゴの配車順序を算出する問題の2段階に分けることができる.本稿では,乗客の割当てが決まれば配車順序は一意に決まるとし,乗客のカゴ割当てを最適化する問題を集合被覆問題としてモデル化した.乗客がホールに到着する毎に逐次的にカゴを割り当てる従来方式と,将来に亘る一連の乗客到着を既知としてすべての乗客を一度に各カゴに割り当てた理論限界値を比較し,平均サービス時間がどの程度短くなるかを確認した.さらに,配車順序の算出方法で,乗客到着前に空カゴを移動させたり乗客到着まで待機させたりすることで,よりサービス時間の短縮が図れる.このことは,将来に亘る一連の乗客到着情報を有効活用することで,サービス性能をより向上させることができることを示している.
 
   
G3-2 ブロック積み替え問題に対する分枝限定法  
○滝井 健太、田中 俊二 (京都大学)  

[概要] ブロック積み替え問題(block relocation problem)問題とは,コンテナヤードに積まれたコンテナを与えられた順序で取り出す際の積み替え操作回数を最小化する問題であり,近年注目されてきている.しかし,従来研究の多くは近似解法に関する研究であり,効率的な厳密解法に関する研究はあまり行われてこなかった.そこで本研究では,分枝限定法に基づく厳密解法を提案するとともに,その有効性を数値実験により確認する.
 
   
   G3-3 人間ドックの最適スケジュール作成におけるSPT規則の有効性について  
  ○伊藤 真理(南山大学大学院)、鈴木 敦夫(南山大学)、河原 芳昭(リバーフィールドコミュニケーションズ)  
   
[概要] 本研究では,人間ドックにおける受診者の適切な検査順序を決定するスケジュール作成支援システムを試作した.これは,受診者や検査の優先順位を考慮し,総所要時間が最小となるスケジュールを短時間で作成できる.このシステムは,スケジュールの作成者が納得のいくスケジュールを得るために,段階的にスケジュールを作成し,容易に確認・修正が可能である設計をした.そこで,実際の人間ドックのデータを用いてシステムの有効性を検証する.検証する点は,以下に示す.(1)データに依存せず,実用的な計算時間でスケジュールが作成できる.(2)スケジュールの作成者が作成したスケジュールを繰り返して修正することができる.(3)繰り返しの回数は,実用的な範囲にとどまり,手作業でスケジュールを作成する場合に比べて短時間で総括的なスケジュールを作成できる.(4)作成したスケジュールは手作業で作成したものに比べて効率の良いものになっている.
 
     
   G3-4 食品スーパーにおけるLSPの取り組み ― 惣菜部門の事例紹介  
  大山 崇(株式会社ネクステージコンサルティング)  
 
[概要]  多くの食品スーパーにおいて、LSP(Labor Scheduling Program)の取り組みが行われてきたが、成功事例が目立つ一方で、多くの企業では、結果を出すまでに時間がかかり、失敗に終わっている。本稿では、LSPが成功しない理由を明らかにする。また、新しいアプローチの提案を行い、惣菜部門を中心に事例の紹介を行う。
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   

 9月21日(土) B会場

 
     
【10:00~11:40】生産マネジメント  
司会: 孫 晶(名古屋工業大学)  
OS1-1 不確実性を考慮したプロジェクトスケジューリングに関する基本的考察  
  ○武藤 恭昌(東レ株式会社)、濱田 佑希、越島 一郎(名古屋工業大学大学院)  
   
[概要] アメリカのスタンディッシュグループの調査によれば、プロジェクトの成功要因の32,7%、失敗要因の34,8%がスケジュールに関連した要因である。つまりプロジェクトの成否にはスケジューリングが大きく起因している。しかし、プロジェクトには、本質的に不確実性が存在する。本研究における「不確実性」とは、発生するかどうか不確定である事象のことを指す。不確実性は計画とのズレをもたらすため、不確実性を扱うことができるスケジューリング手法が不可欠である。不確実性を含む問題の解決には、一般的に確率論が用いられる。モデルに基づき、現実の問題解決には指針を与えられる確率は、不確実性を扱うための強力な道具である。不確実性を確立的に捉えることで、様々な問題解決につなげることができる。そこで、本研究ではスケジューリングにおける不確実性を想定し、確率論を用いてそれらに対処することができるスケジューリング手法の提案を行う。 
 
     
OS1-2 循環型生産におけるライン構成問題に関する研究  
○岩本 一将、丹羽 紀人、 越島 一郎(名古屋工業大学大学院)  

[概要] 近年,製品のバリエーション化に伴う生産工程の多様化を抑えるために、品目間での製品組み立てに必要な作業の共通化や、品目ごとの作業数の違いに対応可能な混合生産方式の研究が進められている。しかし、必要作業数や作業工程がほぼ等しい製品同士を同じライン上で生産することは出来ても、必要作業数や必要設備および熟練工員数が大きく異なる製品同士を混合生産可能にするまでには至っていない。そして、近年増大する市場からのコスト削減要求と短い期間での生産対応要求を考えると、多様なバリエーションに対して既存の生産リソースを最大限活用可能な、よりフレキシブルな生産方式を考案する必要がある。そこで本論では、仕掛品がライン上を複数周回することで、既存の生産リソース(ライン、設備、熟練工員)を活用した多品種混合生産を可能にする生産ライン(「サークルライン」と称す)を示し、その生産方式を実現するための課題の1つであるラインバランシング問題に着目し、その問題解決方法を提案する。
 
   
OS1-3 可変な目標加工時間を考慮したリセット多期間制約サイクル問題における最適配置に関する研究 ― 特殊作業者が2人居る場合―  
○孔 憲達(首都大学東京)、孫 晶(名古屋工業大学)、山本 久志(首都大学東京)、
松井 正之(神奈川大学)
 

[概要] 不確定下では、ある期間の成果や効率はその期間だけではなく、それ以前に発生したリスクに左右される状況は多く考えられる。このようにリスクが過去の状況に依存し、そして複数の期間にわたり反復的にリスクが発生する状況を想定し、その場合の期待リスク最小化問題(多期間制約サイクル問題)について議論する。本研究では、リセット多期間制約サイクルモデルの下で、目標加工時間が確率変動すると仮定し、処理能力の異なる2種類の作業者のうち、特殊処理能力を持つ作業者(特殊作業者と呼ぶ)が2人居ることに対して一般作業者がn-2人居る場合、各作業者をどのように配置すれば最も効率的、経済的かという最適配置問題について考察を行い、最適配置法則を求める。
 
   
   OS1-4 生産性と安定性向上を目的とするセル生産方式の工程設計法の開発  
  ○和田 拓巳、 荒川 雅裕(名古屋工業大学)  
   
[概要] セル生産は,作業者が多工程の作業を受け持ち,1~少人数で小さい作業領域を構成することで多品種生産でも工程間の仕掛り在庫の削減や工程間の待ち時間の削減による生産性の向上を狙った生産方式である。これまでに,直線型やU字型などのライン構造や,担当する作業の分割型,巡回型,共同型,一人型の方法などの組み合わせから,多様なセル生産方式が考えられている。本発表では混流生産下における複数のセル生産の方式を取り上げ,イベントシミュレーションによって各種方式の特性を調べる。そして,調査結果から,混流生産における生産性と作業時間の変動に対する安定性に着目し,セル生産のための工程設計を多目的最適化問題として扱い,設計のための多目的遺伝的アルゴリズムを開発する。単純モデルを利用して数値実験を行い,得られた工程設計案についてイベントシミュレーションによって生産性の効果を検証する。
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【13:00~14:15】配置問題  
司会: 今堀 慎治(名古屋大学)  
OS2-1 Uniformly Random Generation of Floorplans  
○山中 克久(岩手大学)、中野 眞一(群馬大学)  

[概要] In this paper we deal with problems on generating mosaic floorplans uniformly at random. We propose an algorithm that generates mosaic floorplans with f faces uniformly at random in polynomial time for each. To the best of our knowledge, this is the first such polynomial-time algorithm. By modifying the algorithm, we give two more algorithms to generate mosaic floorplans with some specified properties uniformly at random.
 
   
OS2-2 ビットマップ表現された図形の詰込み問題に対する構築型解法  
○深津 翔(名古屋大学情報科学研究科)、胡 艶楠、 橋本 英樹、柳浦 睦憲(名古屋大学)  

[概要] 多角形詰込み問題は, 複数の多角形を与えられた領域内に配置する問題であり, 機械部品の板取りや服の型紙の配置などの実用的な問題に応用される最適化問題である. 本研究ではビットマップ形式で表現された多角形の詰込み問題を考える. ビットマップ形式で表現された多角形は垂直もしくは水平線分で描かれるレクトリニア図形とみなすことができ, また計算幾何学においてしばしば問題となる数値誤差から解放されるという利点がある. 一方で, 取り扱うデータ量がベクタ形式に比べて大幅に増加してしまう.そこで, 本研究ではビットマップ図形を効率的に扱うためのデータ構造を提案する. 計算実験により, 図形の重なりを判定するためのデータ構造であるno-fit polygonを効率的に扱い, 扱うデータ量を減らす方法を用いることで短時間で良質の解を構築できることを確認した.
 
   
OS2-3 順列対を用いた長方形配置問題に対する局所探索法 ― 近傍探索の改良  
○岩澤 宏紀、今堀 慎治 (名古屋大学)  

[概要] 長方形配置問題とは,様々な大きさの長方形を二次元平面上に重ならないように配置する問題である.本研究では,順列対表現を用いた局所探索法により,精度の良い配置を求める.順列対表現とは,長方形名を並べた二つの順列により各長方形対の上下左右の制約条件を決めることで配置を表現する手法である.この手法は実現可能なあらゆる配置を表現できるが計算効率の面で改善すべき点がある.これまでに,配置方法や局所探索法に関して様々な効率的手法が提案されており,実用上十分精度の高い手法として認知されてきた.本研究では,新たに局所探索におけるスワップ近傍を高速に評価する手法を提案する.数値実験の結果,計算効率及び解の精度が向上し,スワップ近傍の高速化がより良い解の発見に有効であることを確認した.
 
   

ページ先頭へ戻る

 
   
【14:30~16:10】生産計画(1)  
司会: 田村 隆善(愛知工業大学)  
G4-1 スタビリティを指向する能力所要計画とスケジューリングに関する基礎的検討  
○森田 大輔 、 諏訪 晴彦 (摂南大学)  

[概要] 製造活動において,迅速な納期回答や環境変動への柔軟な対応を実現しつつ製造システムの実行性能を最大限に発揮させるためには,能力所要量計画(Capacity Requirements Planning; CRP)を巧妙に策定することが重要である.本研究では生産スケジューリングの上位計画であるCRPに着目し,環境変動に対するスタビリティの高い製造システムの運用を指向する新たなCRP技法を提案する.ここにスタビリティとは,不確定的事象の生起に破たんすることなくシステムの持続的運用が可能であること,またCRPの実施結果の予測性が高いことを意味する.本研究では,スタビリティの高い製造システム運用を実現するための理論的モデルを構築する.数値実験では,スタビリティの観点から提案手法を評価する.
 
   
G4-2 バッチ反応器運転 最適スケジュール検討  
○山中 翔太、 佐中 俊哉、澤井 義人、白木 大介(三菱化学株式会社)  

[概要] 本報告は,ある化学プロセスにおける,バッチ反応器の最適な運転スケジュールに関する検討内容をまとめたものである.対象としたプロセスでは複数の反応器があり,各時刻において反応器の運転に関する制約が存在する.運転スケジュール作成の際には,2つの要望を考慮する必要がある.1つは,触媒ロスの最小化である.反応の際には触媒が必要であり,運転スケジュールによっては,まだ使用可能な状態の触媒の廃棄が発生する.もう1つは,反応器前流の予熱器の負荷の最小化である.以上の制約および要望を満たすため,今回,エクセルにてルールベースのシミュレーション,および焼きなまし法を用いた最適化の検討を行った.その結果,以前は担当者が手作業で検討していた運転スケジュールよりも,コストの低いスケジュールが得られた.また,検討に用いたツールを担当者へ移管することで,現場にて最適な運転計画が検討可能な環境を構築した.
 
 
   G4-3 簡易言語を用いた物流シミュレータによる加熱炉装入スケジュールの最適化  
  ○高橋 圭一(近畿大学)、田島和典(ニッテツ北海道制御システム株式会社)  
   
[概要] 我々はこれまで産業廃棄物処理工場の現場スタッフが利用することを想定した簡易言語による物流シミュレータを開発してきた.本シミュレータは,移動元と移動先とリードタイムを指定することで物流規則を定義することができ,種類別の物流規則や容器詰替規則など,より複雑な物流規則をモデリングできる.本稿では,連続式鋼材加熱炉に対して適用を試み,さらにGAを用いて鋼材の投入順の最適化をおこなったので報告する.
 
     
   G4-4 計画同期生産のための基本モデルの提案  
  西岡 靖之(法政大学)  
   
[概要] 本研究では、計画同期生産のための情報モデルおよび数理モデルを示し、その活用方法を提案する。計画同期生産では、製造業がおかれた外部環境の不確実性を低減させるために、各部門がもつ最新の情報を常に計画に反映させ、その内容を同期化することで計画の精度をつねに維持する。部門ごとに粒度やタイミングの異なる計画の同期化のためには、計画データの標準的な記述フォーマットとともに、それらの相互関係を定義し値を伝播させるメカニズムが必要となる。不確実性を低減するために、生産能力バッファの概念を導入し、シミュレーション実験により、計画同期化の方策とその効果を定量的に示す。
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   

 9月22日(日) S会場

 
 【13:00~14:00】特別講演2  
 司会 中出 康一(名古屋工業大学)  
   S2 パッキング問題に対する効率的アルゴリズム  
  柳浦 睦憲(名古屋大学大学院情報科学研究科教授)  
   
[概要] 2次元あるいは3次元の形状を容器の中に重なり無く詰込むとき,無駄なスペースをできるだけ小さくする問題を一般にパッキング問題,あるいは切出し・詰込み問題などと呼ぶ.たとえば2次元のパッキング問題は鉄鋼や服飾産業などにおいて母材から製品をできるだけ無駄なく切出す問題として,3次元のパッキング問題はコンテナやトラックなどに荷物をできるだけ多く詰込む問題としてしばしば現れ,その応用上の重要性は広く認知されている.詰込む対象となる形状は,長方形,(非凸)多角形,レクトリニア図形,直方体などさまざまであり,形状の複雑度や次元によって問題の難しさも多種多様である.本講演では,主に構築型のアルゴリズムを中心に,最近の進展を紹介する.このようなアルゴリズムのアイデアは簡潔であるが,意外と奥が深い,と講演者は思っている.その一端をお伝えできれば幸いである.
 
     
 【14:10~15:10】特別講演3  
司会 鈴木 敦夫(南山大学)  
   S3 顧客の購買行動に対応したシフトスケジューリングの作成 ― 百貨店での導入事例  
  矢野 夏子(株式会社構造計画研究所 オペレーションズ・リサーチ部)  
   
[概要] 必要な技術・技能の制約や本人の希望など、多くの要望要因が絡み合う中で、限られたスタッフを適切に割り当てることは難しく、 勤務シフト計画の作成には膨大な時間がかかります。弊社で開発したKKE/ShiftMasterを使うことで、勤務シフト計画の作成を自動化するだけでなく、現場ごとの複雑な制約条件を整理・見える化し、 スタッフをムリ・ムダなく割り当てることにより、高いサービスレベルを維持する最適な勤務シフト表を作成することができます。ここでは百貨店での導入事例によって、その効果を紹介します。 
 
     

 9月22日(日) A会場

 
     
【9:00~10:15】施設配置・更新計画  
司会:佐々木美裕(南山大学)  
G5-1 ボロノイ分割を用いた車両拠点最適配置法の提案  
○田中 健太郎、水野 信也 (静岡産業技術専門学校)、八卷 直一 (静岡大学)、
村松 恭行 (ヤマハ発動機株式会社)
 

[概要] 現在,様々な地域でレンタルサイクルの普及の試みが行われている.しかし,費用や設備の問題があり,継続的に運営できる団体は少ない.本研究では電動自転車を各拠点に効果的に配置し,この様な取り組みが継続出来るようにシステム構築を行う.配置する拠点は人口分布データを用いて,ボロノイ分割を用いて行う.ボロノイ分割で算出された拠点を基に,重力モデルより各拠点間の推移確率を算出する.そして各拠点の平均滞在電動自転車数を閉鎖型待ち行列ネットワークを用いて算出する.実際にある地域情報を用いて最適化計算を行い,システムの有効性を検証する.
 
   
G5-2 待ち行列理論を利用した救急車両拠点最適配置方法の提案  
○吉田 清孝、水野 信也 (静岡産業技術専門学校)、八卷 直一 (静岡大学)  

[概要] 患者が発生し.救急車の要請があった場合,いかに短時間で病院まで搬送出来るかが患者の救急救命のひとつの要素である.日本では医療機関間で連携を行い,患者の搬送先を決定しているが海外では救急患者発生に対して情報が一本化されておらず,救急車出動が非効率な状態になっている.本システムは救急車の配置拠点,台数を患者の発生情報に基づいて提案し,救急患者搬送を効率化する.人口等の情報を利用して患者の発生をシミュレートし,救急車両拠点から患者発生場所,病院,そして救急車両拠点に戻るまでを1台の救急車両のサービス時間として,M/M/s待ち行列理論としてモデル化する.実際のある地域の情報を用いて数値実験を行い,モデルの有効性を検証する.
 
   
   G5-3 数理計画法を用いた橋梁の架け直しスケジューリング  
  小市 俊悟(南山大学)  
   
[概要] 日本の橋梁は,高度経済成長期に建設されたものが多く,近年,それらが耐用年数を迎え,その老朽化が問題になっている.さらに,その解決には,抜本的な架け直しを含めた修復が必要とされている.しかし,橋はその役割からも交通の要所であり,修復や架け直しに伴う通行の制限は,交通に多大な影響を与えるものと考えられる.本研究では,このような観点から,架け直しが必要な複数の橋梁について,予算制約をみたし,交通に最も影響が小さいような,それらの架け直しスケジュールを得るための数理計画モデルを提案する.そのために,利用される経路は最短経路であるという仮定のもと,各ODペアと,閉鎖する橋の各組合せに対して,閉鎖した場合の所要時間から閉鎖していない場合の所要時間を差し引いたものを遅延として定義し,目的関数には,対象とする橋の各組合せに対して,それらを閉鎖した場合の遅延を全ODペアについて合計したものを採用する.
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【10:30~11:45】人員計画・作業割当(2)  
司会:玉置 久(神戸大学)  
G6-1 勤務計画問題の数理計画モデル ― 仮想スタッフ導入による制約充足  
○大原 誠、玉置 久 (神戸大学)  

[概要] 病院やコンビニなどの交代勤務制の職場では, どのスタッフがどの作業を担当するかを事前に計画し業務を遂行している. しかし,これらの職場では慢性的な人手不足から, 欠員や追加業務などの突発的な事態が起きた際に計画遂行に支障をきたすことが多い. あるいは計画の立案段階ですでに制約に反していることもある. このような状況は人員を追加したり実施する作業を減らすことで解消できるが, 現場に混乱を招かないように, どの作業に対してどのような人材が不足しているかを明確にし, 最低限の変更で達成することが望ましい. そこで本研究では,従来の勤務計画問題に仮想スタッフという概念を導入し, 拡張した数理計画モデルを解くことで, 仮想スタッフ,すなわち不足している人材に求める要件を明らかにするアプローチを提案する. また提案する手法の有効性を確認するために, コンビニエンス・ストアを想定した例題に適用する.
 
   
G6-2 非正社員が主力である業種のシフトスケジューリング  
○徳永 拓真、山口 陽太、田中 勇真(成蹊大学)、沓水 佑樹(株式会社リクルートジョブズ 事業開発室 事業開発部)、池上 敦子 (成蹊大学)  

[概要] 本研究では, 飲食店や販売店などのアルバイトやパートタイマーが主力スタッフであるシフトスケジューリングを扱う. 各スタッフは勤務希望日と時間帯を申請し, その情報を基にスケジュールが作成される. スケジューリング時に考慮する項目として, 各時間帯の各仕事に必要な人数を確保するといったシフトに関するものと, 各スタッフの総労働時間の上下限を守るといったスタッフに関するものがある. 本研究では, 実際の現場で使用される支援システムを開発するために, 様々な店舗で活用できる汎用的なモデルを提案する. また, そのモデルから作成されたスケジュールと実際の現場で作られたスケジュールを比較し, 評価を行う.
 
   
G6-3 訪問看護スケジューリングのランダムインスタンス生成  
○岸本 大樹、森戸 晋(早稲田大学)、岡本 茂雄、谷口 奈央(セントケア・ホールディング(株))  

[概要] 訪問看護のスケジューリングでは,在宅での看護を必要とする顧客の訪問要請に応えるため,看護スタッフの一日,あるいは,一週間の訪問ルートを作成する。訪問看護スケジューリングシステムの開発前には,入力データの電子化ができていないなどの理由から,スケジューリングアルゴリズムの評価を行うためのデータが豊富に揃っていない場合も少なくない。そうした状況では,問題の特徴を模した入力データ(顧客やスタッフに関するデータ)をランダムに生成することができると便利である。本発表では,訪問看護のスケジューリングを対象とした,ランダムインスタンスの作成方法を提示し,ランダムインスタンス生成上の留意点,問題点を明らかにするとともに,生成されたランダムインスタンスを用いた一連の実験を紹介し,ランダムインスタンスを用いたスケジューリングアルゴリズムの評価について考察する。
 
   

ページ先頭へ戻る

 
   
【15:25~16:15】情報システム  
司会:八巻 直一(静岡大学)  
G7-1 災害時情報提供効率化についての一考察  
○川口 奏、水野 信也、関 睦実 (静岡大学情報基盤センター)  

[概要] 現在多くの安否情報システムが存在するが,ビッグデータ解析の手法が確立してきた現在,ユーザの情報を解析し,ユーザや組織に対し効果的な情報を提供する枠組みが求められている.本研究ではユーザの安否情報をもとに次の情報を算出することを提案する.(i) ユーザの安否レベルに対して情報を集約し緊急対策地域の算出,(ii)ユーザの位置情報に対し避難方向ベクトルの算出,(iii) 公表された被災地情報をもとにユーザに対し避難経路の算出を行う.またユーザからの入力はモバイル端末を利用し,出来るだけ簡単に安否情報の登録を出来るようにユーザ側のアプリを作成している.このような機能を既存の安否システムと連動させ,より効果的に運用出来るようになると考えている.
 
   
G7-2 情報システム・アーキテクチャとスケジューリング技術  
手島 歩三 (特定非営利活動法人 技術データ管理支援協会)  

[概要]  少なからぬ企業がスケジューラ導入に失敗している。問題の原因はスケジューリング技術の巧拙でなく、スケジューラの情報システム・アーキテクチャが導入企業のビジネス様式に適合していないことである。背後には、ユーザ企業の管理者たちがソフトウエアとは何か、ハードウエアとの異質性を理解していない問題が存在する。機能要件や性能や導入費用などハードウエア的視点でスケジューラを評価するのでは足りない。ビジネス様式に適するデータ・アーキテクチャとソフトウエア・アーキテクチャなど、社会的視点を取り入れてスケジューラを選ぶことが望ましい。また、ビジネスの変化に応じて進化できることも重要である。情報技術者の社会的地位を確立するために、アーキテクチャ概念を取り入れることについて問題提起する。  
 
   

ページ先頭へ戻る

 
   

 9月22日(日) B会場

 
     
【9:00~10:15】実務とSCM  
司会: 久保 幹雄(東京海洋大学)  
OS3-1 人道支援ロジスティクスにおける多期間輸送・在庫・施設配置モデルに対する容量スケーリング法を用いたアプローチ  
○中嶋 則博、 久保 幹雄、田頭 弘光(東京海洋大学)  

[概要] 人道支援ロジスティクスの対応フェイズとは、災害発生後に行う活動であり、主に支援物資の調達、適切な中継地点を経由した輸送、被災地ならびに中継地点における適切な在庫管理を行うことである。本研究では、対応フェイズにおける各期の輸送費用、在庫費用、品切れ費用、固定費用の和を最小化する多期間輸送・在庫・施設配置モデルに対する容量スケーリング法と呼ばれる汎用ヒューリスティクスを提案する。
 
   
   OS3-2 輸送を考慮した複数品目ロットサイズ決定問題に対する拡張定式化  
  ○提坂 泰歩、 久保 幹雄、伊藤 州馬(東京海洋大学)  
 
[概要]  本研究は実務家に依頼された大規模な生産輸送問題を抽象化したものである。この問題では工場内の生産は多ライン多品目の動的ロットサイズ決定問題であり、大規模な問題で非常に難しく、実務家が構築した一般的な定式化では最適解を得ることは難しい。この問題の実務においては在庫の保管を消費地のみで行うという性質を利用して、動的ロットサイズ決定問題で有効である施設配置定式化を利用した拡張定式化を提案する。
 
     
   OS3-3 シフト型でないスタッフスケジューリング問題のモデル化と解法  
  ○田頭 弘光、 久保 幹雄、邵 一夫(東京海洋大学)  
   
[概要] スタッフスケジューリング問題の例としては,ナース・スケジューリングに代表されるようなシフト型のスケジューリング問題が盛んに研究されている.しかし,日本においてスタッフスケジューリングが必要とされる職場の多くは,ファストフードや衣料品店など,スタッフのほとんどがアルバイトやパート(シフト型の勤務ではない)で構成されている. そこで,本研究では実務で発生する大規模かつシフト型でないスタッフスケジューリング問題を考え,効率的な解法を提案する.
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【10:30~11:45】SCRM  
司会: 久保 幹雄(東京海洋大学)  
OS4-1 リスクを考慮した安全在庫配置モデル  
○細井 啓太、 久保 幹雄(東京海洋大学)  

[概要] サプライ・チェイン・マネジメントでは、サービスレベルを考慮しつつ、過剰在庫を避け、在庫費用をいかに抑えるかが求められる。安全在庫配置モデルは、顧客へのサービスレベルを保ちながら安全在庫の最適な配置を決定するモデルである。本研究では需要の不確実性のみならず、サプライ・チェインの供給途絶の不確実性を安全在庫配置モデルに加えた確率計画モデルを構築する。このモデルを用いて、供給途絶のリスクに対して、どのような戦略をとるべきか実験的に明らかにする。
 
   
OS4-2 リスクを考慮したロジスティクス・ネットワーク設計モデル  
○野里女 友絵、 久保 幹雄、カク 磊(東京海洋大学)  

[概要] 近年,サプライ・チェインにおいて震災や洪水などの自然災害をはじめとする様々な有事によるリスクが重要視されている.本研究では,リスクを考慮したロジスティクス・ネットワーク設計モデルを提案し,原料の供給地点から最終消費地点に至るサプライ・チェイン全体の「もの」の流れを顧客サービスレベルの制約の下で最適化をおこなうことを目的とする.本モデルは抽象ロジスティクス・オブジェクトを用いており,リバース・ロジスティクスや輸送モードなどの種々の付加条件を点と枝から構成されるネットワークと,それ上に定義される資源だけで表現している.
 
   
   OS4-3 リスクを考慮した確率的在庫モデルに対する数理最適化アプローチ  
  ○三明 亮介、 久保 幹雄(東京海洋大学)  
   
[概要] 本研究では、従来の確率的在庫モデルに対し、供給途絶のリスクを考慮した数理最適化アプローチとして静的発注量モデルと適応型モデルを提案する。 静的発注量モデルとは、一定の需要に対して発注費用と在庫保管費用の和を最小にする在庫方策である。適応型モデルは、需要だけが不確実性を含んでいる場合に、過去の需要系列の履歴のアフィン関数として発注量を決定するモデルである。 これらのモデルを用いて、供給途絶のリスクに対してどのような戦略をとるべきか実験的に明らかにする。
 
     

ページ先頭へ戻る

 
   
【15:25~16:40】生産計画(2)  
司会: 由良 憲二(電気通信大学)  
G8-1 混合品種組立ライン製品投入順序付け問題における新評価関数の提案  
田村 隆善(愛知工業大学)  

[概要] 混合品種ラインにおける製品投入順序付け問題は、ラインの生産性を高める有効な手段として1970年ごろから研究されてきた。また、ジャストインタイム方式では、組立ラインで使用される部品の消費速度平準化も製品投入順序の重要な尺度として使用される。  ラインの生産性を高めるため、ライン停止が起きないよう手間のかかる製品が連続してラインに投入されない投入順序の決定が行われてきたのである。そのための評価尺度としてユティリティワーク(utility work:UW)最小化や負荷平準化が用いられてきた。UWは、ライン停止のリスクの尺度として用いられている。  本研究では、数値実験によって、UWの最小値が0に近いときにのみ、UWがライン停止時間の代替尺度として有効であること、また、負荷の平準化がライン停止時間の代替尺度として有効でないことを示したのち、UWをベースにした新しい評価尺度を提案し、その有効性を数値実験によって示す。
 
   
G8-2 受注生産における段取り者の負荷を考慮した生産スケジューリング  
○森永 泰彦、 杉本 拓弥、長尾 征洋、佐野 充(名古屋大学)  

[概要] 本論では、受注生産におけるフレキシブルジョブショップスケジューリング問題(Flexible Job-Shop Scheduling Problem:FJSP)を取り扱う。多品種の品物を並行して生産する受注生産では、頻繁に発生する段取り作業を如何にタイミングよく段取り者に段取り作業を割り付けるかが納期および全体の効率に影響を与える。しかし、FJSPにおいては未だ単価値最適化の事例が多く,多目的最適化においてもメークスパン(最大完了時間)や納期遅れ最小化,機械の負荷平準等に限られる.本研究では,段取り作業者に新たに着目し,既存研究で行われていないFJSPにおける納期遅れと作業者負荷の多目的最適化を遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorism:GA)を用いて様々なシミュレーションを行う。使用するデータは,実在する少量多品種の受注型生産の中小製造企業のデータを用いる.
 
   
G8-3 発電機起動停止問題 に対する列生成に基づく解法  
○萬木 貴大 (早稲田大学)、椎名 孝之 (千葉工業大学)、森戸 晋(早稲田大学)、今泉 淳(東洋大学)  

[概要] 発電機の起動停止問題(UC: Unit Commitment)に対する新解法を提案する。起動停止問題とは、発電機の起動と停止のスケジュールを決定すると同時に、出力を決定する問題である。本研究では列生成法を利用して高速かつ解の精度の高い解法を提案する。本研究の解法は、まず UCに対し、列生成法の適用のためDanzig-Wolfe分解を適用する。UCに対して列生成法を用いている研究は少なく、また計算的に困難であったが、スケジュールを列とし列の選択と出力を決定する問題を解く問題になるように式変形を行うことで、新たに列生成法に基づいた手法を開発した。ただし、この方法では最適値と下界値に乖離があり、最適値と下界値の差が大きく、分枝限定法で終端されない子問題数が非常に多くなるため、計算時間が長くなる。このため、切除平面法の考え方を導入し、実行可能領域を狭めることで下界値を改善する。
 

ページ先頭へ戻る