スケジューリング学会シンポジウム
(スケジューリング・シンポジウム 2010)

生産スケジューリング、輸送スケジューリング、サービス・スケジューリング、スポーツ・スケジューリング



開催を終えて(実行委員長からのメッセージ)

スケジューリングシンポジウム2010は、9月10 日、11日の2日間で、合計207名(注)という過去にない多くの参加者を集め、法政大学市谷田町校舎にて盛大に開催されました。今回は、新しい試みとして、SCMコンペティションや、ベンダーセッションなどを行ったことや、当日の事例発表にあわせて、プレスリリースを行う企業などもあり、セッションによっては、会場を埋め尽くす聴講者が出るほどでした。

2件の特別講演では、国際物流の世界における先進的な試みや、企業間の購買ネットワークのIT化に関する新しい流れなど、次の時代を予感する講演をお願いすることができ、スケジューリング問題を超えたスケールで、参加者の強い関心を集めていました。これは、結果的な偶然ですが、2件の特別講演のテーマや、SCMコンペの課題などが、シンクロナイズしながら、今回のシンポジウムのひとつの統一メッセージが浮かび上がってきた気もしています。皆様は、はたして何を感じとっていただけたでしょうか?

各パラレルセッションでは、出席者の多くが、予稿集を広げ、真剣に個々の講演内容のメモをとっており、質疑がセッション終了後に至るものもありました。初日の夕刻に行われた懇親会では、それぞれの関心トピックについて、企業のユーザの立場、ツールベンダーの立場、そして学術的立場の参加者間で、積極的に情報交換する姿が多くみられました。まさにこのシンポジウムにおいて、新しいニーズやシーズを持ち寄った人々の間で、新たな化学反応がおこっているのではないかといったダイナミズムさえ感じることができました。

現在の社会環境は、なかなか先の見通しが利かずに、それぞれの意思決定が特に難しい状況が続いておりますが、今回のシンポジウムのように、実務者や研究者が知恵を出し合うことで、また新しい展開が生まれてくることを、それぞれの参加者が思い描くことができたとするならば、今回のシンポジウムは大成功ということができるでしょう。

シンポジウムの実施にあたって、1年前から準備を行ってきた実行委員のメンバーの一人として、このような創発的で刺激的な場を設定することができたことを、とても嬉しく思っております。これらの成果は、特別講演の講師皆様、セッションのオーガナイザーの皆様、各研究発表、事例発表の発表者の皆様、ベンダーセッションの参加企業およびスポンサー企業の皆様、そしてコンペに参加していただいた学生諸君など、多くの方々のご尽力の賜物です。実行委員会を代表して、心より厚く御礼申し上げます。

期日

2010年9月10日(金)~11日(土)

会場

法政大学 市ヶ谷田町校舎
〒162-0843 東京都新宿区市谷田町2-33

アクセスマップはこちらです。

主催

スケジューリング学会 (http://scheduling.jp/

協賛学会

化学工学会 (http://www.scej.org/)
計測自動制御学会 (http://www.sice.or.jp/)
システム制御情報学会 (http://www.iscie.or.jp/)
人工知能学会 (http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/)
電気学会 (http://www.iee.or.jp/)
日本オペレーションズ・リサーチ学会 (http://www.orsj.or.jp/)
日本機械学会 (http://www.jsme.or.jp/)
日本経営工学会 (http://www.jimanet.jp/)
日本生産管理学会 (http://www.e-jspm.com/

協賛団体

技術データ管理支援協会 (http://www.masp-assoc.org/)
サプライチェーンカウンシル日本支部 (http://www.supply-chain.gr.jp/)
日本能率協会(http://www.jma.or.jp/
ものづくりAPS推進機構 (http://www.apsom.org/

プログラム

各発表の概要付きのプログラム(最終版)をこちらに掲載しています。
概要なしのpdf版はこちらからダウンロードしてください。

各セッション会場はA,B,Cの教室に分かれパラレルで実施されました。
  

特別講演1

題目: 「物流分野における情報通信技術の課題と取り組み ─日本郵船の取り組み─」
講演者: 石澤 直孝(日本郵船株式会社 技術グループ R&D事業開発室 室長代理)

アブストラクト:
日本郵船による情報通信技術開発の概略についてご紹介いたします。貨物や輸送部材などの「モノ」を効率的に認識するために用いられるバーコードやRFIDタグなどの自動認識技術、関係者間で情報を共有するためのネットワーク技術などの開発について、実サービスへの展開や、技術の国際標準規格審議などの活動事例を交えながらご説明いたします。

上の絵をクリックすると資料がダウンロードできます。 
講演者略歴:
1991年4月 一橋大学商学部卒業 日本郵船入社 鋼材・完成車などの不定期船や南米アフリカ航路などの営業を担当。
2004年 日本郵船グループの技術開発戦略子会社MTIの設立とともに同社に出向。RFIDタグを利用した物流サービスの開発に携わる。
2006年8月 バーコード・RFID技術の標準規格団体である GS1 EPCglobal 物流部会共同議長に就任。
2010年より現職。
 

特別講演2

題目:「MDM(Master Data Management)がひらく新しい企業間取引」
講演者:田辺 孝夫(株式会社アルファパーチェス 常務執行役員 コンサルティング事業部長)

アブストラクト:
航空機、自動車、エレクトロニクス等の先端分野では、アッセンブリメーカーとパーツメーカー間の企業間取引を円滑に進める為に設計情報の共有化が進んでいる。他方、POSの普及や、国際取引の増加に伴い、消費財を中心にバーコード付与が定着している。しかし、多くの場合、取引される品目に対して、売り手と買手のパワーバランスから、他方の呼び方(コード、属性)を採用し、原料・中間製品を含め全てのサプライチェーンで同一品目を統一した呼び方(コード、属性)で管理することには大きな隔たりがある。点在するデータプールやメーカー情報から、品目情報を収集し、名寄せや標準化を行うことで、論理的に統合した品目マスタの構築は可能ではるが、その為には膨大な知識と工数が求められる。当社は設立以来、この課題を経済的に成立させる為に、汎用消耗品と言う企業間取引ではロングテールの領域にある品目においてソリューションの開発に取組んで来た。本講演では、その活動について紹介する。
 
上の絵をクリックすると資料がダウンロードできます。 
講演者略歴:
学歴:
  1983年3月 筑波大学第三学群 卒業
  1994年5月 米国カーネギーメロン大学大学院 経営工学科 卒業
職歴:
  1983年4月 日本鉱業株式会社(現 JXホールディングス株式会社) 入社
  2001年2月 株式会社アルファパーチェス 入社

SCMコンペティション2010 (9月10日のみ、E会場にて)

大学研究室対抗のコンペを開催しました(参加は6チームでした)。1チーム3名(ディストリビュータ、メーカ、サプライヤ)で半期(10週×2)の利益を競いました。SCMコンペの概要はこちらを、参加チームへの案内はこちらをご参照ください。

優勝チーム(1位)、準優勝チーム(2位)、入賞チーム(3位)は次のとおりです。
優勝チーム
(1位) 
東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科  ラオミン/中嶋 則博/楊 洋 
準優勝チーム
(2位) 
法政大学大学院 システムデザイン研究科  梅澤 翼/大橋 功/石井 俊成 
入賞チーム
(3位) 
一橋大学大学院 商学研究科  福山 倫基/原 慎之介/ティートゥベール インゴ 
また、各部門ごとの個人賞は次のとおりです。
サプライヤー部門  ラオミン(東京海洋大学大学院) 
メーカー部門  大橋 功(法政大学大学院) 
ディストリビュータ部門  ティートゥベール インゴ(一橋大学大学院) 
なお、各チームの様子はコンペ会場の外に設置した大型モニタを通して、見学していただきました。テレビ画面の右下に会場内部の様子が表示され、画面全体にコンペ会場のパソコンのスクリーン画面が表示されています。

ベンダー セッション (9月10日のみ、D会場にて)

例年の企業展示に替えて、スケジューリングやSCM 関連のソリューションに携わる企業によるソリューションやソフトウェアの紹介を、セミナー形式でプレゼンしていただくセッションを行いました。各講演で使用されたスライドまたはパンフレットをダウンロードしていただくことができますのでご利用ください。

ベンダー名 特定非営利活動法人 技術データ管理支援協会 (株)構造計画研究所 (株)数理システム
講演時間 10:45~11:15, 16:45~17:15 13:45~14:15 15:15~15:45
タイトル イベントドリブン・スケジューリングの仕組みと効用
─生産計画の実行可能性を保証,生産期間短縮など業務改革の仮説/検証が容易に─
APS生産管理システム「ADAP」 によるSCM最適化 「汎用数理計画法パッケージ NUOPT」「汎用シミュレーションツール S3(エスキューブ)」
─多様なスケジュール問題解決ソリューション紹介─
内容 「なりゆきスケジューラ」の構成と利用方法を紹介。改善・改良による生産期間短縮や稼動率向上など業務改革の成果を容易に生産スケジュールに反映可能。 APSロ ジック による小日程計画を中心とした、受注、調達、搬送、生産、在庫、外注の計画と実績をWeb上で一元管理する生産管理システム「ADAP」と、導入事例を紹介しま す。 (ADAP:Advanced Demand chain Adjustable Planner)

汎用の数理計画法パッケージ NUOPT による様々なスケジューリング実践事例 および、シミュレーションエンジン S3 を接続して、立案されたスケジュールの頑健さを検証する具体例を紹介します。

資料   
上の絵をクリックすると資料がダウンロードできます。
 
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ベンダー名 (株)ビーイング (株)富士通アドバンストエンジニアリング (株)フレクシェ
講演時間  14:15~14:45, 15:45~16:15 10:15~10:45, 14:45~15:15 13:15~13:45, 16:15~16:45
タイトル TOC/DBR(ドラム・バッファ・ロープ)を実装した生産スケジューラ『Insync』 日々の受注の変化に柔軟に対応しつつ効率的な生産を実現
─製造業界向けソフトウェア「GLOVIA/SCP FA V8 PSI Collaborator」を新発売─
現実の計画立案業務のために柔軟性と使いやすさを追求した生産スケジューラFLEXSCHE(フレクシェ)
内容 「制約条件にフォーカスし、最小限の労力で大きな成果を達成して、継続的に効果的な改善をし続ける仕組み」を構築するソリューション、TOC/DBRをご 紹介します。 【対象】家電、精密機械、自動車部品などの製造業の方
【内容】需要変動に応じて最適な生産予定量と需給の関係をシミュレーションし、効率的な生産を支援するソフトウェアをご紹介します。
製造業の生産工程の可視化・整流化のために不可欠なツールである生産スケジューラを、実際にFLEXSCHE(フレクシェ)を操作しながら詳しく解説いたします。
資料   
上の絵をクリックすると資料がダウンロードできます。
   
上の絵をクリックすると資料がダウンロードできます。

ベンダーセッションプログラムはこちらに、ベンダーセッション参加企業の方へのお知らせはこちらをご参照ください。

論文集購入

論文集の購入を希望される方は下記の価格にて販売を行っています。2010年9月末まではスケジューリング・シンポジウム2010事務局にお問い合わせください。なお、2010年10月以降はスケジューリング学会事務局にお問い合わせいただけるようお願いします。

会員・協賛学会員: 5,000円
学生: 5,000円
非会員: 10,000円

懇親会

懇親会は1日目の夕方17:30から、 法政大学 市ヶ谷田町校舎にて行いました。9月とはいえまだ暑い日でしたのでシンポジウムと同じ建物での懇親会はとても便利でした。
懇親会では、SCMコンペティションの表彰と、学会賞(学術賞と技術賞)の表彰が行われました。

問い合せ先

よくいただく質問をFAQに載せていますので、お問い合わせ前に参照いただけるようお願いします。FAQはこちらになります。

スケジューリング・シンポジウム2010事務局

〒162-0843 新宿区市谷田町2-33
法政大学デザイン工学部
野々部宏司
E-mail: ss2010 @ scheduling.jp (途中の空白を詰めて送信してください)


スケジューリング学会への入会などのお問い合わせは「スケジューリング学会事務局(アクセス方法はこちら)にお願いします。
 

スポンサー(あいうえお順)

スポンサー名 URL ロゴ
(株)オクトーバー・スカイ http://www.octobersky.jp/ 
特定非営利活動法人 技術データ管理支援協会  http://www.masp-assoc.org/  
(株)構造計画研究所  http://www.kke.co.jp/  
(株)数理システム  http://www.msi.co.jp/
(株)ビーイング  http://www.toc-ccpm.net/
(株)富士通アドバンストエンジニアリング  http://jp.fujitsu.com/group/fae/
(株)フレクシェ  http://www.flexsche.com/
ThinkSCIENCE(株) http://www.thinkscience.co.jp/  

シンポジウム運営組織

実行委員長

西岡 靖之(法政大学)

実行委員(あいうえお順)

池上 敦子(成蹊大学)
今泉 淳(東洋大学)
伊呂原 隆(上智大学)
北島 禎二(東京農工大学大学院)
草刈 君子
久保 幹雄(東京海洋大学) 
小林 稔(エムエーシー)
竹田 賢(青山学院大学)
田辺 隆人(数理システム)
成松 克己(東芝セミコンダクター社)
野々部 宏司(法政大学)
野本 真輔(構造計画研究所)
船木 謙一(日立製作所)
三浦 敦子(構造計画研究所)
茂木 美恵子(富士通総研)

アドバイザー

中野 一夫(構造計画研究所)

履歴

最終更新 2011.3.12

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