プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会(2023年4月21日)開催のお知らせ

プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会 (2023年4月21日)開催のお知らせ

2023年4月3日
研究部会主査: 日揮(株) 佐藤知一

各位:

「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」の2023年第1回会合を開催いたします。

今回はデータモデリングの達人として知られる渡辺幸三さんをお迎えして、ローコード開発を中心とした『超少人数開発』のプロジェクトについてお話しいただきます。

プロジェクト・マネジメントの世界の指針として仰がれてきたPMBOK Guide(R)が、最新版の第7版から、構成と内容を大きく変えたことは、皆さんもご存じの通りです。
その変化をもたらした最大の理由は、アジャイル開発普及への期待にありました。
PMBOK ver.7は、プロジェクトの開発アプローチを3つに大別します。「予測型 Predictive」、「ハイブリッド型 Hybrid」、「適応型 Adaptive」です。
予測型とは、最初に全体計画を立て、それに従って全体をコントロールしていく従来型の方法で、IT開発の分野では「ウォーターフォール型」とよばれるものです。

これに対し、適応型とは「アジャイル開発」を意識しています。反復(Iteration)的かつ漸進的(incremental)に、少しずつ成果物の定義と開発を繰り返しながら進める方式です。
ハイブリッド型は両者の中間形態と理解すればいいでしょう。
以前のPMBOKは予測型アプローチ一本槍でしたが、プロジェクトへの要求が変わりやすい環境下では、適応型のアジャイル開発が有利だ、と表明し、大きな転換となった訳です。

当研究会でも、アジャイル開発は何度も取り上げてきました。
昨年の小川明彦さんの「チケット駆動開発」をはじめ、2018年の市谷聡啓氏による「われわれはなぜアジャイルに向かうのか」、古くは2014年の黒岩惠氏「トヨタ生産方式(TPS)の本質とアジャイル(Agile)プロジェクトのあり方 」などです。その期待の底には、プログラマーの復権というテーマが潜んでいると、わたしは考えています。

アジャイルと並行して過去10年間進んできたのが、ローコード開発ツールによる「超高速開発」でした。
これについても2021年に、古関雄介さんに「ローコード開発手法でプロジェクトマネジメントはこう変わる」を講演いただき、大いに刺激を受けました。

渡辺幸三さんも、『X-TEA』というローコード開発ツールを個人で作り、無償で提供されています。
渡辺さんは「データモデル大全」や「業務別データベース設計のためのデータモデリング入門」などの著書で有名ですが、ただしIT開発ツール自体の販売ではなく、設計支援のコンサルティングに主力を注いでおられます。
それも複雑で大規模な業務系システムの基本設計の支援です。そして、現代のシステム開発の問題は、あまりに多くの人々が開発過程に関わっている点にある、と指摘されています。

したがって、ローコード開発ツールの最大のポイントは、「超高速」で工期を短くできることでも、「アジャイル」で漸進的に作っていけることでもなく、整合性の取れた全体設計を可能にすることにある、という趣旨の主張をされています。そのキーワードが、『超少人数開発』なのです。

当代きってのデータモデリングの名手と、オンラインで対話できるチャンスです。
また、IT開発以外の分野の方にとっても、(そのプロジェクトが「設計」に関わる限り)刺激的で示唆に富んだお話になるはずです。ぜひふるってご参加ください。

<記>

■日時:2023年4月21日(金) 19:00~20:00 (オンライン形式だが、横浜近辺でのリアル会合併設も検討中

■講演タイトル:

超少人数開発のすすめ ~ 野球で学ぶデータモデリングの基礎

■講師:渡辺 幸三 様

有限会社ディービーコンセプト(DBC)代表

■講師略歴:

新潟市出身。北海道大学理学部卒。
業務システム開発者。システム設計手法である「三要素分析法」の提唱者。設計ツール「X-TEA Modeler」、実装ツール「X-TEA Driver」の開発者。DBC代表。
著書:「データモデリング入門」、「生産管理・原価管理システムのためのデータモデリング」、「上流工程入門」、「データモデル大全」(日本実業出版社)、「業務システムモデリング練習帳」(日経BP社)、「販売管理システムで学ぶモデリング講座」(翔泳社)他。

■参加希望者は、三好副幹事(miyoshi_j@kensetsu-eng.co.jp)までご連絡ください。
横浜近辺でのリアル会合実施の場合にリアル参加を希望される場合は、その旨もご連絡ください。
後ほど会議のリンクをお送りいたします。

■参加費用:無料。

ちなみに本研究部会員がスケジューリング学会に新たに参加される場合、学会の入会金(¥2,000)は免除されます。